今井美樹『Dialogue - Miki Imai Sings Yuming Classics -』
45回転重量盤アナログLP
ステレオサウンドがレコード会社協力の下、制作している高音質ソフトに今井美樹『Dialogue- Miki Imai Sings Yuming Classics -』のアナログLPが新たに加わる。2019年9月にはシングルレイヤーSACDの『
Dialogue』を発売したが、本作は45回転仕様による2枚組のアナログLPだ。シングルレイヤーSACDはソニー・ミュージックスタジオ所属の鈴木浩二氏がマスタリングを担当していたが、本作は日本コロムビアのチーフエンジニアである武沢茂氏がマスタリングおよびカッティングを手掛けている。
本作に採用されたマスター自体は先行発売したSACDと変わらないPCM・96kHz/24ビットのデジタル音源となるが、本作はヴェテラン・エンジニアの武沢氏がアナログLPのフォーマットに相応しい音調整(=マスタリング)を施した上で、ラッカー盤を刻んだ。ちなみにA面2曲目とC面1曲目はそもそもPCM・44.1kHz/24ビットで収録されていたため、音源は日本コロムビアの高精度なORTによりPCM・96kHz/24ビットへとアップコンバートされた。本作の商品化に際してレコード事業部のスタッフは、武沢エンジニアと『Dialogue』の収録時間やアルバムの音質的な傾向などを綿密に話し会い、最終的にLPの標準仕様である33・1/3回転ではなく、より高品位な音が聴取できる45回転仕様を選択した。
日本コロムビアの武沢氏は今回の高音質アナログLPの制作に際して、オリジナル・マスターの持ち味を引き出しながら30cmディスクに相応しいマスタリングを施し、細部まで調整の行き届いたノイマン製のSAL74Bカッティングアンプ、VMS70カッティングレース、さらにSX74カッターヘッドなどを駆使してラッカー盤を起こしている。
45回転仕様によるアナログLPは、シングルレイヤーSACDとは別世界といえそうな静寂感と浸透力の高い音を楽しめるのが魅力となる。ユーミンの歌の世界を踏まえた巧みな編曲は、歌手・今井美樹の魅力を存分に引き出す。なお、アナログLPの製作工程を綴ったライナーノーツはシングルレイヤーSACDの『Dialogue』と同じく、彼女の音楽に並々ならぬ愛着を抱いてきたオーディオ評論家の黛 健司氏が担当している。
収録曲
Disc-1
[Side A] |
1. 卒業写真* |
Sotsugyou Shashin |
[from the album “COBALT HOUR”, 1975] |
2. 中央フリーウェイ* |
Chuo Freeway |
[from the album “14番目の月”, 1976] |
3. あの日にかえりたい* |
Anohi Ni Kaeritai |
[from the single, 1975] |
[Side B] |
1. 人魚になりたい |
Ningyo Ni Naritai |
[from the album “SURF & SNOW”, 1980] |
2. やさしさに包まれたなら* |
Yasashisa Ni Tsutsumareta Nara |
[from the album “MISSLIM”, 1974] |
3. シンデレラ・エクスプレス |
Cinderella Express |
[from the album “DA・DI・DA”, 1985] |
Disc-2
[Side C] |
1. ようこそ輝く時間へ |
Youkoso Kagayaku Jikan E |
[from the album “PEARL PIERCE”, 1982] |
2. 霧雨で見えない |
Kirisame De Mienai |
[from the album “ダイアモンドダストが消えぬまに”, 1987] |
3. 青春のリグレット |
Seishun No Regret |
[from the album “DA・DI・DA”, 1985] |
[Side D] |
1. 青いエアメイル |
Aoi Airmail |
[from the album “OLIVE”, 1979] |
2. 手のひらの東京タワー |
Te No Hira No Tokyo Tower |
[from the album “昨晩お会いしましょう”, 1981] |
3. 私を忘れる頃 |
Watashi Wo Wasureru Koro |
[from the album “VOYAGER”, 1983] |